テーマ:車いすで「歩く」とは?
すこし前の10月になりますが、仙台市市民活動サポートセンターにて、仙台バリアフリーツアーセンターの及川さんと、NPO法人みんなのトイレマッププロジェクト(Pen)が1対1でバリアフリートークを行いました。
今回のテーマは 「車いすで『歩く』とは?」。
当事者の経験を通して、“歩く”という行為の本質を深める時間となりました。

①車いすは「歩行者」
車いすは法律上「歩行者」とされますが、実際には歩道環境が必ずしも安全とは限りません。
特に、
- 白線だけで区切られた歩道
- 狭い空間でのすれ違い
- 車の走行音にかき消される環境 などは、心理的負担や危険を感じる場面が多いという話がありました。
歩道という“歩くための空間”であっても、車いすにとっては負荷や不安を伴うことがあり、「歩行者」であるはずなのに、実情が伴っていない部分が多いという課題が浮かび上がりました。
②歩道だから安全?
車いす利用者にとって、歩道は必ずしも「安全な場所」ではありません。
及川さんからは、歩道の傾斜や舗装の違いが移動に大きく影響することが語られました。
代表的な例として、
- 傾斜でまっすぐに車いすで歩けない
- 段差が小さくても進行方向を取られる など、「安全に歩く」ためには細やかな設計が求められることがわかりました。
また、仙台市内でも場所によって歩きやすさに差があり、傾斜の強い箇所やタイル舗装の滑りやすい場所では、移動の負担が大きくなるという気づきが得られました。
③車いすは「足」なんだ!
最も印象的だったのは、及川さんの「車いすは“足”なんだ」という言葉でした。
車いすは単なる道具ではなく、身体の一部として日々の生活を支える存在。そのため、段差や路面状況の違いが“歩き心地”に直結します。
この視点から見ると、
- 道路構造の細かな凸凹
- 人の流れ
- 音環境 など、あらゆる要素が“歩ける/歩きづらい”に影響することが改めて理解できます。
Penにとっても、この一言は「バリアフリー情報をどう可視化するか」を考えるうえで非常に重要な示唆となりました。
■ おわりに
今回のトークは、車いす利用者の“歩く”という感覚を再認識し、日常の移動に潜む課題を具体的に捉える時間となりました。
バリアフリーは「道を広げること」だけでなく、歩き方そのものが違う人々に配慮した環境づくりであると気づかされます。
NPO法人みんなのトイレマッププロジェクトでは、今後も当事者の声を大切にしながら、
「バリアフリー情報を、誰かの一歩に」
つなげる取り組みを続けていきます。