行って初めてわかる絶望 ― 情報バリアフリーのない社会

バリアフリー法と、当事者という目線で4月はずっとブログを書いて行っておりますが、実際にこんなご意見を見聞きします。

「行く前に調べたのに、行って初めてわかった。使えないと。」

「バリアフリー対応」と書かれている施設を選び、電話でも確認したのに、実際に行くと入口に段差がある。
“対応”とは、ただエレベーターがあるだけだった――そんな経験は少なくない。


「対応」という言葉のズレ

今の社会では、基準を一つ満たすだけで「バリアフリー対応」と名乗れてしまうかもしれません。
しかし、利用者が知りたいのはもっと具体的な情報だ。

段差の高さ、扉の幅、スロープの勾配、駐車場からの経路。
そうした「使えるかどうか」を判断する情報は、ほとんど公開されていない。


「わからない」が外出を止める

情報がないと、人はこうなる。

調べる → わからない → 不安のまま行く → 使えない → 諦める

この繰り返しが、「次はやめておこう」という判断につながる。
そしてやがて、外出そのものを控えるようになる。

人を止めているのは段差ではなく、「わからない」という状態だ。


なぜ情報がないのか

理由はシンプルだ。

  • 何を書けばいいかの標準がない
  • そもそも当事者が想定されていない
  • 正確に測って更新する仕組みがない

つまり、構造的に「情報が出てこない」状態になっている。


情報はインフラである

もし事前に、「段差なし・スロープあり・トイレは1階」と分かれば、
不安ではなく計画を持って出かけられる。

「行けるかもしれない」は、「行ける」に変わる。

情報は、物理的な設備と同じくらい重要なインフラだ。


情報をつくる側へ

施設側の発信だけでは限界がある。
だからこそ、実際に使った人が情報をつくることに価値がある。

私たち NPO法人みんなのトイレマッププロジェクト は、
そうした実測・実体験の情報を集め、可視化する取り組みを進めている。


情報がないことは、排除である

情報がないことは、「ない」のではない。
それは「来ないでください」というメッセージに近い。

見えないバリアは、すでに人の行動を止めている。

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