2026年10月1日(木)、NPO法人みんなのトイレマッププロジェクトの第3期通常総会をオンラインにて開催しました。
当日は、正会員の皆様にご参加いただき、第2期の事業報告と決算、役員改選、そして令和9年度(第3期)の事業計画と活動予算について審議し、すべての議案が全会一致で承認されました。
お忙しい中、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
今回の総会で、特にお伝えしたかったのは、これからの一年間、私たちが何を目指して活動していくのかということです。
令和9年度の活動方針「バリアフリー情報の『選択肢』を増やす。」
第3期の活動方針として、私たちは「バリアフリー情報の『選択肢』を増やす。」という目標を掲げました。

私たちが取り組んでいるのは、多目的トイレや駅のエレベーターなど、障害のある人が外出する際に必要となる情報を調べ、ITを活用して分かりやすく届ける活動です。
例えば、外出先に多目的トイレがあると分かっていても、そのトイレが自分にとって使えるかどうかは、実際に行ってみなければ分からないことがあります。
車いすが入れる広さなのか、ドアは開けられるのか、必要な設備はあるのか。
こうした情報が事前に分からないために、外出をためらってしまう人もいます。
一方で、設備が十分ではなくても、その状況を事前に知ることができれば、自分で判断し、準備することができます。
私は、ここに情報のバリアフリーの大切さがあると考えています。
もちろん、建物や設備そのもののバリアフリー化が進むことは大切です。しかし、すべての建物をすぐに改修することは難しいのが現実です。
だからこそ、今ある設備について正しい情報を届けることで、利用する人が自分自身で選択できる環境をつくっていきたいのです。
私たちが増やしたいのは、単なる情報の数ではありません。その情報によって生まれる、一人ひとりの行動の選択肢です。
「仙台版みんなのトイレマップ」新たに100件の調査へ
第3期の大きな柱となるのが、「仙台版みんなのトイレマップ」の充実です。
第2期は、仙台市内の公共施設や商業施設を中心に、多目的トイレ29箇所の調査を行いました。
調査では、設備の有無だけでなく、室内の広さやドアの幅、設備の配置などを確認し、できるだけ多くの写真を撮影しています。
第3期は、仙台駅周辺を中心に公共性の高い建物の調査を進め、新たに100件、累計130件の情報整備を目指します。
これまでの調査では、施設によって情報公開に対する考え方が異なり、調査をお願いしても難色を示されることがありました。
しかし、私たちが目指しているのは、施設を評価したり、設備の不十分な点を指摘したりすることではありません。
利用する人が、自分にとって使える施設なのかを判断するための情報を届けることです。
その目的を施設の皆様にも丁寧に説明し、ご理解をいただきながら、一つでも多くの情報を公開していきたいと考えています。
「ドコのる」仙台市地下鉄南北線の全駅調査へ
もう一つの大きな柱が、駅のホームにあるエレベーターやエスカレーターの位置と、列車のドアの位置関係を可視化する「ドコのる」です。
車いすを使って電車に乗るとき、どの車両に乗れば降車駅のエレベーターに近いのかという情報は、とても重要です。
しかし、こうした情報は、まだ十分に提供されているとは言えません。
第2期は、車いすユーザーの方々とともに駅のホームを調査する「ステーションマップディ」を開催し、2駅の調査を行いました。
第3期は、新たに15駅を調査し、仙台市地下鉄南北線の全17駅を網羅することを目標としています。
さらに、集めた情報を活用し、ベータ版のアプリケーション公開を目指します。
駅のエレベーターの位置を知っているだけでも、移動の負担を減らすことができます。
「どこから乗れば、どこに降りられるのか」
そんな情報を、誰もが簡単に確認できる仕組みを作っていきたいと思います。
調査だけでなく、情報の大切さを伝えていく
第3期は、情報を集めることだけでなく、その情報がなぜ必要なのかを社会に伝える活動にも力を入れていきます。
具体的には、「石巻版みんなのトイレマップ」への防災情報の追加、バリアフリー情報の大切さを考えるワークショップの開催、ブログやメールマガジンによる情報発信などを計画しています。
特に大切にしたいのは、障害当事者の視点です。
障害のある人が何に困っているのか、どのような情報があれば自分で行動できるのか。
こうしたことは、実際に経験している人の声を聞かなければ、なかなか分からないものです。
私たちは、障害当事者が情報を受け取るだけでなく、情報を調べ、発信する側にも参加できる活動を続けていきたいと考えています。
そして、情報のバリアフリーを、障害のある人だけの問題ではなく、地域全体で考えていくきっかけにしていきたいと思っています。
活動を継続できるNPO法人を目指して
今回の総会では、第3期の活動予算についても承認をいただきました。
第3期は、経常収益162万円、経常費用134万円を計画しています。
調査件数を増やすためには、施設との調整や現地調査、アプリケーションの更新など、さまざまな作業が必要になります。
そのため、調査業務の一部を外部に委託することや、新たな助成金の獲得にも取り組んでいく予定です。
私たちの活動は、単発のイベントや調査で終わるものではありません。
バリアフリー情報は、一度調べて公開すれば終わりではなく、設備の変更などに合わせて更新していく必要があります。
だからこそ、継続的に調査し、情報を届けられる組織をつくることも、第3期の大切な課題です。
将来的には、「仙台版みんなのトイレマップ」の300箇所以上の掲載、「ドコのる」による仙台市地下鉄全駅の網羅、そして障害当事者の視点を生かしたバリアフリーコンサルティングの提供なども目指しています。
小さなNPO法人ではありますが、少しずつ活動の幅を広げ、地域に必要とされる団体に成長していきたいと考えています。
第3期も、皆様とともに
第3期は、第2期に積み重ねてきた活動を、より多くの人に届く形へと発展させていく一年にしたいと思っています。
多目的トイレの情報が一つ増えること。
駅のホームの情報が一つ増えること。
それだけで、誰かの外出の選択肢が一つ増えるかもしれません。
私たちは、そんな小さな情報の積み重ねが、社会のバリアを少しずつ減らしていくと信じています。
「バリアフリー情報を誰かの『一歩』に」
この理念を大切にしながら、第3期も一歩ずつ活動を進めてまいります。
引き続き、NPO法人みんなのトイレマッププロジェクトへのご理解とご支援を、どうぞよろしくお願い申し上げます。
